印鑑の書体
印鑑の書体は6タイプ
印鑑には6つの書体が使われます
●篆書体 ●隷書体 ●行書体
●楷書体 ●古印体 ●印相体
(吉相印)
実印・銀行印には「篆書体」「印相体(吉相印)」が多い
6書体の中で、印鑑に最も多く、最も古くから使用されているのは篆書体です。日本の紙幣に捺されている印鑑や、天皇陛下がご使用になる『天皇御璽(てんのうぎょじ)』、日本政府が公文書に使用する印鑑はほぼ全て「篆書体」です。つまり現代漢字の祖先となるこの書体がもっとも由緒正しい字形なのです。ですので、どの書体にするか書体に迷ってどうしても決まらないときは「篆書体」にされると良いです。
印相体(吉相印)は文字の端々で文字同士をつなげたり外の丸い枠につなぐなど、篆書体をアレンジした物となります。こちらも篆書体同様に実印や銀行印でのご依頼が多いです。
「てんしょたい」と読みます。印鑑の基本となる書体です。現代漢字の元々の字体です。
「いんそうたい」と読みます。別名吉相体です。篆書体にデザイン性を加味したものです。
現代で使われている書体です。認印で使用されることが多い書体です。
タテとヨコ、どちらが良いと言うことではなく、どちらがキレイに見えるかでお選びください。
基本的に運転免許証や保険証の名義欄と同様にフルネームが一般的です。
ただ、女性は結婚すると苗字が変わる事が多いため、独身時代に作られる際には、フルネームではなく下の名前のみを彫刻させて頂くことも多いです。
どの書体にするか迷う時は篆書体か印相体が良いでしょう。
(印鑑の直径につきましては、女性が主に13.5mm、男性は15mm・16.5mmが一般的です。)
篆
書
体
テ
ン
秦の始皇帝が中国を統一したとき、それ以前に各国・地域で使われていた様々な形の字を統一したのが篆書体です。更にさかのぼれば象形文字などに行き着きますが、この書体が現在の文字のルーツです。日本の紙幣に捺されている印鑑もこの篆書体です。
印相体と並んで実印の書体として選ばれる方が多いです。
印字:原辰徳
(吉相印)
印相体
吉相印という呼称は印相体で彫刻した印鑑となります。漢字の基礎となる篆書体をベースに、文字がなるべく枠に付くようにアレンジされた書体です。篆書体に比べて文字のデザインやレイアウトの自由度が増し、お店によって少しずつ雰囲気が違います。実印の書体として選ばれる方が多いです。 印字:森進一
隷
書
体
レイ
篆書体を書きやすく簡略化した書体。横に伸びやかな風合いが特徴です。
古
印
体
印章のみに存在する書体です。もともとは隷書体で彫られた印章が経年変化してこのような字形になったともいわれています。
日本独自の書体で倭古印(やまとこいん)とも呼ばれ、丸みを帯びた優しいイメージの書体です。「ワビサビ」が感じらますね。
行
書
体
いわゆる続け字と言われる書体でもっとも筆運びが表現される書体です。
楷
書
体
書道を習い始めるときに、まずはこの書体からになりますね。とめ、はね、はらい等を丁寧に書くことで全体が引き締まった字になります。
認め印
銀行印
認め印では読みやすさが大切です。古印体や楷書体・隷書体が一般的です。(印鑑の直径は10.5mmが一般的です)
銀行印では篆書体や印相体が人気ですが、女性の中には行書体を好まれる方も多いです。
(印鑑の直径は12mmが多いです)
書体の説明
印相体 | 篆書体 | 古印体 |
---|---|---|
隷書体 | 楷書体 | 行書体 |
どれが一番良い書体なの?
書体に良いも悪いもないのですが、印鑑の用途によってどの書体がマッチするかというのはあります。
認め印は「誰が捺した印鑑か」がわかりやすい方が良いですよね。
そういう意味では、古印体・楷書体・隷書体が人気が高いです。
会社で昇進し、役職に就いたといったときは、重要な決済に使用することがあると思います。社内で認め印(決済印)を登録する場合もあるでしょう。 こんな時はもう少し格式のある篆書(てんしょ)体をおすすめします。別注で作成した認め印を使っていれば決裁書類などの改ざんを防げます。自身を守るためにも、誰でも入手できる既製品を使うのは避けましょう。
実印や銀行印では篆書体と印相体がオススメです。
特に篆書体は今使われている漢字の元々の姿なので、一番正しい字(形)といえます。
日本の紙幣にもこの書体の印鑑が印刷されていることはご存じですよね。
(表面は総裁之印、裏面は發(発)券局長之印となっています)
篆書体は一番格式が高く、字形のバリエーションが多いため同姓同名の方がご依頼になっても、それぞ同じ物が出来ないように、印鑑の中にどの字形の文字を組み合わせるかを考え、最良のバランスを考えながら手書きで文字を配置し、その方専用の印鑑になるように彫刻しています。※印相体(吉相印)は篆書体をさらにアレンジして作っています。