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吉田隆太郎

ハンコが欠けた

更新日:11月5日

ハンコ・・・欠けいてませんか?




時折、欠けないハンコはないのと聞かれますが、まぁ、元々ハンコは何かあったら欠けるものと認識してくださった方が良いくらいなんです。ガラスのコップを落としたら割れるのは、どなたもそう認識されていると思いますが、それと同じで、だからこそ落とさないように欠けさせないように大切に扱っていただきたいんです。


ハンコが欠ける理由は様々です。

1番多いのは、机の上にちょっと置いたら転がって固い床に落としてしまった。

2番目に多いのは、押すときに紙の下にクリップなど硬い異物があることに気づかずそのまま力強く押してしまった、です。

レアなところでは、何かの拍子に飼っているワンちゃんの目の前に転がってしまい、ガブガブっとかじられたというお客様も・・・飲み込まなくて良かった!




欠けた判子の修理

ハンコの修理ってできますかとご相談を受けることがあります。

欠けたハンコの修理はおそらくどこのハンコ屋さんでも出来ませんと答えると思います。

もし直せたとしてもそこは修理したところは、脆くてまたすぐ欠けると思います。


欠けたハンコは縁起が悪い?

また、ハンコが欠けるって縁起が悪いんでしょう?と聞かれることもあります。

そういったときいつもどうお答えしようかと一瞬考えてしまいます。

たしかに当店ではハンコがあなたの財産や権利をお守りしますとお客様にお勧めしていますからねぇ。でもこれ、霊感的なことではないんです。

ここで断言しておきたいのですが、フチが欠けると言うことは縁起が悪いわけでも無く、霊感的な意味合いは決してありません。ましてやご先祖様や子孫も全く関係ありません。縁起が悪いなんて一切気にしなくて良いんです。

ただですね、一度欠けるとそこからまた欠けがひどくなることがあります。そのまま使おうとしても実印や銀行印の場合、登録時の印章と認めてもらえなくなる事態になることが多いようです。欠けてしまうと修理はできないので落としたり、マット等を敷かずに力任せに押すのはおやめくださいまし。楽にきれいにおす方法はまた別の機会にご紹介いたします。

印鑑の彫りかえ(改刻)

せっかく大切な方から贈っていただいた印鑑だから、あるいは社会人になって頑張って働いたお給料で作った思い入れのある印鑑だから、この印鑑を使い続けたいという方には、彫刻してある部分を削って新規にお名前を彫り変える(改刻)という方法があり、当店でも承っております。ご希望の方はこちら『印鑑のリメイク』からお申し込み下さい。


なぜハンコにはフチがあるのでしょうか?

多少私感が入りますので、他の印章店では少し異なるお話があるかもしれませんが、まぁ、お聞きください。

ハンコを構成するものとして文字とフチ(枠)があります。

ハンコに彫られる文字はいろんな要素からイメージを持ってデザインしてゆきます。(ワタクシの場合は、ですが)

お名前の文字の意味や文字の形からとか、あるいは来店時のお客様の雰囲気、注文書に書かれた手書きの文字を見て、こんな感じの文字にしようかなぁなんて想像しながらデザインします。といってもマッチョな方だからマッチョな字に・・・なんてことはありませんよ。こうして、同姓同名の方がご注文されてもそれぞれ唯一無二と言いますか、異なる字姿の印章になります。

実際の所、ワタクシのイメージとご本人さんの本当の個性とが合致するのは難しいところですが、少なくとも男性の場合は少しキリッとした感じに、女性の場合は少し柔らかいタッチになるようにして、彫る文字にお客様のキャラクターを反映させようとしています。

良く言うでしょ? 「ハンコはあなたの分身です」って・・・。 少なくとも昭和の頃にはそういうポスターがはんこ屋さんのウインドーに貼られていたことがありました。(えぇ~、確かそうだった・・・ような気がします・・・) 何はともあれハンコにとっては一番重要な部分です。

ハンコにフチなんかなくても良い?

次にフチなんですが、無くてもいいじゃないか。フチがあるから欠けてダメになるんじゃないかというご意見もあるかと思います。

ただ、文字だけだとですね、押せば押すほど文字の部分が摩耗していくんです。細いところは太くなり、線の先端は少しずつ短くなっていきます。 その変化は結構早いかもしれません。しかしフチがあれば、押すときに掛かる圧力をうまく分散してくれるのですり減りにくくなり、長持ちするのです。

いやいやフチには感謝です

ということはですね、このフチ、お客様の大切な名前を守ってくれているんだと思うんです。

フチに感謝しなきゃ、ですね。


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