私がまだ子どもの頃に、父が自分の付けている腕時計を見せながら「これな、ハクライやねんで、フフン」とうれしそうに自慢してきました。
「・・・へー」と棒読みの言葉を残してその場を立ち去ったんですが、子どもが舶来という言葉知ってるわけがないのに、よっぽどうれしかったんでしょうねぇ、ずっとニヤニヤ・・・あ、いや、ニコニコしていました。当然のことながらロレックスとかそんな高級なブランドではないので、いわゆる資産価値はほぼゼロなんですけども。
とにかく「舶来」の意味を説明されてもやっぱりチンプンカンプンだったので、その頃から私、ぼんやりした子どもでした。
ココでタイトルにもどるのですが、若いころ、なぜ原産国は東南アジアなのに「オランダ」の名前が付いているのかなとフト思ったことがあります。これって、ひょっとすると江戸時代は鎖国政策で西洋との取引はほぼオランダだけでしたよね?要するに海外から入ってきたものは日本から見れば、ほとんどオランダから来たといえるかもしれません。この水牛の角は、舶来品(輸入モノ=高価)だし、高級感があったので「オランダ」の名前をつかったんじゃないかなと想像していました。
まぁ、実のところその昔、東南アジアを植民地としていたオランダが輸出していたからということらしいです。
名称についてなんですが、過去に食品などで産地偽装が問題になり、はんこ屋業界でも一時期「牛角」「白水牛」と言う呼称を使いましょうという流れがあったんですが、「牛角(うしのつの)」はどうしても焼き肉屋さんの名前にしか見えないし、「白水牛(しろすいぎゅう)」にいたっては現物は白いわけではないですからね、かえって違和感が増してしまう気がします。
なので当店では昔の由来を含んだ呼び方を残したくてオランダ水牛としています。来店されたお客様にはできるだけオランダ水牛の名前の由来について一個人の思いとしてお話しするようにしています。たいていのお客様は、「・・・へー」棒読みでそう言ってお会計をされます。
やっぱり「・・・へー」の棒読みはなんか寂しいかも・・・。
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